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読むべき1冊 「銃・病原菌・鉄 」 著者:ジャレドダイアモンド

2018/ 11/ 28
                 
なかなか時間がとれなくて、ひさびさの更新。


今回は「おススメの本」の第一弾です。
(第二弾はあるかわかりませんが・・・)

その名も「銃・病原菌・鉄」という難しそうな題名。

しかし、これは読む価値有り。

銃・病原菌・鉄 ジャレドダイアモンド


高くて分厚いのでちょっと尻込みしますが、読み始めると一気に読めます。

著者は、ジャレド・ダイアモンドというUCLAの大学の生理学だか地理学だかの教授です。

このセンセイの凄いところは30数年間もニューギニアなどの所謂、未開の地(と言われるような)でフィールドワーク(現地調査)を実施していることです。

その実体験のエピソードを元にした推論は、「むーん」と頷かざるを得ない。

内容は、ざっくり「なぜ、西洋(ヨーロッパ)は他を征服できたか」です。

西洋が世界各地を植民地支配しましたが、それがなぜ可能であったのか?

なぜ、アメリカやアフリカの先住民族が逆に西洋を植民地にできなかったのか?

ヨーロッパ諸国が16世紀から植民地支配を開始し、アメリカ・アフリカ・オーストラリア大陸を次々に征服していく。

直接の原因は、16世紀の時点で、題名にある「銃・病原菌・鉄」の点で圧倒的な優位性があったからとしてます。

しかし、なぜ16世紀までにそれらの優位性を持つに至ったのか?

持てる者と持たざる者。この両者を分かつ究極の要因は何か。

その要因はいつ、どこで、どのようにして生じたのか。

直接の要因(銃・病原菌・鉄)と究極の要因とは、どのような因果の鎖で結ばれているのか。

この本では、征服者と被征服者の間に、生物学的(人種差別的)な知性に差異はないとしてます。

では両者の差異はなんだったのか?

★そもそも、アフリカで人類の祖が誕生しているため、アフリカが歴史の長さで言えば一歩リードしていたハズ。

★さらに、紀元前1万年前にさかのぼると、いずれの地域も狩猟採集社会であった。

★歴史的に社会発展のプロセスは狩猟採集生活から始まり、農耕社会へ移行する。

★農耕(植物の栽培化)により余剰食糧の備蓄が可能となる。

★余剰食糧の存在により、食糧生産をしない専門職(技術)や階級が発生し、集権化が進む。

★また、家畜化により農耕の生産性が向上する。

★農耕(植物の栽培化)・家畜化により人口増加・人口密集社会が発展する。

★集団化した家畜、灌漑設備や定住化により病原菌が発生し、長い間に免疫化が進む。

などなど・・・


この紀元前1万年前から16世紀までに「なぜ一方では上記のプロセスで発展し、他方では発展しなかったのか?」

究極的な要因について考古学的、生物学的アプローチに加え、言語学的アプローチで検証していきます。

ネタバレですが

究極の要因を地理的要因としてます。

ヨーロッパが属するユーラシア大陸が優位に立てた理由として次の3点を挙げ、それぞれについて、「なるほどっ」「そうだったのかっ」って具合に展開していきます。

■最も面積が大きいことから、自生している栽培化・家畜化できる動植物が多かった。

■東西に長く同じ緯度であることから技術・動植物の伝播や拡散が早かった。

■伝播や拡散を妨げる砂漠や山脈が少なかった。

さらに、同じユーラシア大陸でも、古代から文明が発達していた中国ではなく、端っこにあるヨーロッパだったのかについても、納得させてくれます。


理詰めで納得したい人には、これ以上の本は無いと思います。

100点満点と言いたいところです。

が。。。一点だけ、「生物学的(人種差別的)な知性に差異はない」根拠が弱かった・・・

知性に生物学的な優越性はない2つの根拠として

①先進国では、知能の高低にかかわらず歴史的に伝染病等の疫病がなければ生きながらえることができる。
一方でニューギニア等の後進国は、(人口密度が低いため)死亡の原因は伝染病ではなく部族間の闘争や事故・飢餓である。
闘争や事故・飢餓が主な死亡理由の社会では知性が高い方がより生き残る可能性が高いため、結果的に生き残るのは知性の高い集団となる。

②先進国では、幼少期にテレビ等の受動的な娯楽に多くの時間が割かれる。
子供の知性発達の研究では必ず刺激的な活動の重要性を挙げる。
このため、過酷な環境にあるニューギニアの子供の方が、より能動的な刺激のある生活をすることになる。


うーん。。。これってわかるんですが、現代のハナシですよね・・・

本書の「紀元前1万年前から16世紀まで」には当てはまらないんじゃね?

これはこれで、すごく説得力がある理屈ですが。。。。


しかし、究極の要因を地理的要因と結論づけるまでの構成は完ぺきで、目から鱗な事は間違いなし。

読むべき1冊として98点!

                         
                                  

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